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?BRh変異型におけるRHDならびにRHCE遺伝子
Rh血液型システムには、さまざまな変異型の存在が知られている。その中で、RhC/c、RhE/e抗原を欠損しRhD抗原のみを有する−D−の2例について、上記の方法でRhCE及びRhDの遺伝子型判定を試みた(図6)。Case1ではRhCのバンドは確認し得たが、Rhc、RhE及びRheのバンドは全く検出できなかった。また、RHCE遺伝子のイントロン4に由来する1075bpのバンドを欠き、同イントロンは欠失していると考えられた。一方、RHD遺伝子に由来する2つのバンドは、いずれも確認された。以上の結果より、case1では、RHCE遺伝子とRHD遺伝子の、ハイブリッド形成が示唆された。Cace2については、RhCE及びRhDの遺伝子型判定法によりCCDEE型と判定された。このように、case1、case2とも遺伝子型と表現型との間に不一致を認めた。
図7に−D−の遺伝子モデル4、20−22)を示した。(A)ではRHCE遺伝子を完全に欠失している。(B)はCE−D−CEハイブリッド遺伝子を形成し、先に示したcase1はこのグループと推測される。(C)はRHCE遺伝子を有しているにもかかわらず、何らかの理由で−D−となる場合であり、case2はこのグループに該当すると思われる。
前項ならびにこの項で示したように、RhD陰性例、−D−例においては、遺伝子型と表現型との判定結果に不

 

 

 

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